デザイン・クリエイティブセンター神戸で開催されていた
「EARTH STATIONS by AMDL CIRCLE」
ミケーレ・デ・ルッキと未来を共有する建築展に行ってきました。
建築家ミケーレ・デ・ルッキの世界各地でのプロジェクトが紹介されていました。
昔、スチレンボードで模型を作成していた身としては、おそらく3Dプリンターで
作成された模型が羨ましいです。こんな有機的なカタチ・・・スチレンボードで作れない!
こちらは、ベトナムで2019年から進行中のロイヤル・エンバシー・アカデミーの完成予想図。アートと音楽、スポーツ、エンターティメントに特化したスペースを備えた教育センターだそうです。
こちらは、カザフスタンで2019年から進行中のバイテレック・ブールバード。アート、イベント、商業など多機能を備えたセンターで、ヌルスルタンのもっとも重要な地区の再開発となる公共スペース。
ベトナムといい、カザフスタンといい、発展が目まぐるしいですね。アジア各地を仕事で飛び回っている人が、日本の国際空港に降り立ったら、どこの発展途上国かと思ってしまう、と感想を漏らしていましたが、こんなプロジェクトが次々と起こっているのですね。アジアの発展のパワーを感じます。3DCADが出現して、建築様式も大きく変わっているのが感じ取れました。
ところで、ミケーレ・デ・ルッキは、1980年代、一大ムーブメントを巻き起こした「メンフィス」のメインメンバーでもありました。
「メンフィス」のデザインの特徴は、アールデコ・バウハウス・ポップアート運動に影響をうけ、曲線とランダムなフラットシェイプで構成されています。特徴的なグラフィックは、静止しているのに泳いでいるような浮遊感と大胆な色のコントラストが特徴です。家具やテキスタル、セラミック、ガラス、金属などいろいろな素材使いに大きく影響を与え、ポストモダンの流れを作りました。
80年代の私は、「メンフィス」の名前もしらない中学生でしたが、メモ帳の柄など「メンフィス」風の雑貨がおしゃれと感じてました。懐かしい。
流行とは恐ろしいもので、「メンフィス」風のものが、世の中にあふれ、デザインの悪いコピー商品があふれ、だんだん飽きられていく・・・、というサイクルに陥りました。
わたしも、高校生になると、ダサく感じていたのですが、世の中って 表層しかみてないと
損しますね・・・。
デビットボウイは、アート・コレクターとしての側面も持っていて、ポストモダンデザインの代表格メンフィス・グループの作品の熱心なコレクターでした。彼の死後、ボウイのコレクションは競売にかけられ、相当、価値が付いたようです。
もちろん、当時の私に本物の「メンフィス」の家具が買えたわけではありませんが、ダサいと感じて、流行が終わったと感じていた私に喝を入れたいです。
好き・・・を追求し、本物を見る目を養うえば、流行りに流されることもないな・・と
改めて感じました。
最近、メンフィススタイルが再び脚光を浴び、存在感を放ち始めています。
80年代にはじまり、90年代のポストモダンを牽引したスタイルがどのように現代で
リバイバルされるのか…動向を見ていきたいですね。
最近よく見るテラゾー柄なども、メンフィス・スタイルの影響を感じます。