ヘンな日本美術史~山口 晃 のヘタな絵の話

パースを仕事で描いてはいますが、絵の技術はお粗末で、パースの技法を使わないと 物の形も決まりません。陰影も 感覚だけで付けてるし・・・

しかし、絵かきではないのだから、お客様にイメージが伝わればいいのだ!! と 開き直っているのですが・・・

絵の技法をきちんと学びたいなぁ と憧れもあります。

そんな私にぴったり! 絵の技法のなんたるか
その上、絵の技法を知っているからこそ解る絵の鑑賞法を
この本で知ることができます。

ただし、技術が低いのに、価値が高い絵の話もあり面白かったです。

へんな日本美術史
山口晃著
祥伝社出版

私など、美術館に展示してある絵は 全て「貴重なもの」と
ハハーと水戸黄門の印籠のような感じで すごいものなんだ と思っちゃいます。

ところが、美術館にも 素人同然の「ヘタな絵」があるそうです。

松姫物語絵巻

松姫物語
東洋大学附属図書館
デジタルコレクションより

私も 練習すれば 描けるかしら・・・

山口 晃氏の言も

今の言葉で言う「下手うま」ですらなく、単に「下手くそ」なのですが、そうは言っても見られる下手さであるという所が特色でしょうか。「見られる下手さ」と云うのは、少しは上手いと云うのではなく、より下手なのです。

そんなこと あるの~! おもしろすぎる!!のですが、どうしてそんな絵が16世紀の室町時代から現在まで残ってるのか、ちゃんと考察してあります。

当時の割合お金持ちの人が、良い紙に良い墨、良い絵具で、字なども能書家を雇ってちゃんと書いているのに、絵だけをどうしようもない素人に描かせるという趣向がどうもあったらしいというのです。

なぜ下手な絵を愛でたのか

当時の身分の高い人が、一方で 様式美の域に達した狩野派などの絵を愛でつつ、愛らしいもの(今の感覚では、アニメ文化?)も趣向品として人気があったようです。

それをふまえますと・・・

日本人の美意識って 相当レベル 高いですよね! 西洋より時代の上をいってたんじゃない?と本を読みながらうきうきしました。西洋では、ルネサンスを経て、ポップアートやプリミティブアートの光が当たったのは、現代のことです。室町時代の松姫物語の絵は、ポップアートやプリミティブアートより もっと倒錯した美の感覚かもしれません。

日本建築も 数寄屋造り など 相当へんな建築物、わざと素朴なものを銘木として床柱に使う 倒錯した美意識が 行われています。

ちょっと空間を崩す方が こなれてる感じ ありますよね。(クラッシクスタイルのシンメトリーばかりじゃ 疲れる・・・)

これって、日本人の美意識に通じるのかなぁ・・・