インテリアの秘訣2 床編

インテリアのベースとなる床を選ぶ場合
床材の素材のを単体で選ぶと失敗します。

関係の深い建具(ドアや家具の面材)と質感を統一しましょう。

床と建具の組合せのルールを知ろう!

 

基本のルールは、同じ面材でそろえることです。
ここでは、
高級無垢床材
針葉樹の無垢材
化粧シートの床材
畳 の4種類に分けてみました。

畳を仲間に入れたのは、建具が部屋と部屋をつなぐアイテムで、畳の部屋と洋室が隣り合わせの場合、建具の選定がセンスを左右するからです。(設計士として一番悩みどころ、腕の見せ所です。)

化粧シートの建材との組み合わせ

メーカー品(ダイケン・パナソニック・永大等)の建材は、一番流通しており、デザインも豊富にあります。ただし、ほとんどが、化粧シートのプリント面材です。同じメーカーの同じシリーズの同じ色と組み合わせることが基本となります。和室と洋室の間の建具もラインナップがあります。無垢の床材とは、質感や経年変化が異なるため、相性がよくありません。

マットな塗装面材との組み合わせ

欧米のでよく見かけるタイプのドアです。木質の面材ですと色が豊富に選べるため、インテリアの幅が広がります。化粧シートとの組み合わせは、異素材(木目でないシート・鏡面仕上げなど)と組み合わせるとうまくいきます。畳と合わせる場合は、本格的和風にせず、和モダンスタイルなどで敷居のない建具で対応すればセンス良く見えます。

木目のある塗装の面材との組み合わせ

色を入れるだけでなく、木目がそのまま表れるクリア塗装も含みます。高級無垢床材(ウォールナットやメープルなど)との組み合わせは、下地の材料にもよります。よく使われるシナ合板の場合だと、床材と比べ見劣りするのでお勧めできません。日本のメーカー品では、ウッドワンがパインの無垢建具を扱っており、無垢床材との相性が良い商品で、重宝しています。

難易度ナンバーワン
高級無垢床材・・・・チーク・ウォールナット・メープルなど
同じ面材の建具で揃えるのは、敷居の高いクラシックホテルでもなかなか見かけません。質感のそろう無垢建材では、ウッドワンの建具が重宝しました。造作家具には、大理石や御影石などの違う材種・鏡面仕上げの化粧シートなど、異素材します。シナ合板では、床材に比べ見劣りし、おすすめしません。コーディメートの難易度ナンバーワンです。

廉価度ナンバーワン
プリント合板の床材・・・一般流通品
パナソニックやダイケンなど、メーカー品が豊富にあります。大量生産の商品なので、廉価です。しかし、造作家具を提案するとき、同じメーカーのカタログから選ぶという限界があります。同じプリントを使った家具を特注すると値段が高くなります。大工さんに現場で製作してもらうという自由度がありません。シナ合板や集成材とまぜこぜで使用すると、とんでもないバラバラ感になり おすすめしません。
インテリアコーディネーターとしては、絶対避けたいセンスのなさです。

自由度ナンバーワン
杉やパインなどの軟らかい床材
軟杉やパインの床材は、針葉樹で、広葉樹の床材と比べ軟らかいという難点はありますが、軟らかい=加工しやすい・大工造作しやすいという特徴があります。造作建具や家具を計画するとき、お勧めしやすい建材です。

ショールームでは、杉の無垢床材を採用しています。お手入れの仕方にコツがありますが、足触りの良さが好評です。是非、体感してみてください。

インテリアの秘訣1 イメージ編

インテリアのスタイルは、いろいろあります。

最近では、インダストリアル(塩系インテリア)・西海岸風・シャビーシックなど ファッションの流行のように いろいろなスタイルが取り上げられます。

正直、どれが好みですか と聞かれても困りますよね。人間 そんなに趣味が一貫している人ばかりでないのが 実情だと思うのです。

まずは、好みのインテリアを、毎日選んでいるファッションに例えてイメージしてみましょう。。

インテリアをお任せするよりも、イメージを共有 することで打ち合わせがスムーズになります。

  • TPOを考える
  • 体型を考える
  • コーディネートを考える

3つの視点から、インテリアをファッションに例えてみました。

TPOを考える

まず、どんな場面を想定するか、いわゆる TPO(時と場所、場合に応じた方法・態度・服装等の使い分け)ですね。

昔は、家で結婚式やお葬式も執り行われましたが、今は、式場や会場で行うのが普通になってきました。本格的な和室や応接間が必要な方も少なくなってきたのではないでしょうか。

家族が暮らすリビングを重視したり、個人で楽しむ場所を新たに加えたり、目的によってインテリアを変えては いかがでしょうか。

例えば、ワンマイルスタイルがファッションとして雑誌で特集されています。家でくつろぐスタイル・いわいる家着ですが、気心地や楽さを維持しつつ、ワンマイル(近所)にそのまま出かけても素敵なファッションです。インテリアで言うと ラフな雰囲気でも かっこいい部屋でしょうか。無印良品のインテリアなどが浮かびますね。

部屋をどんな状況で使用するのか、その時、どんなインテリアを居心地のいい空間と感じるのか いろいろな場面を洗い出してみましょう。

例えば、洗面所をメイクが楽しくなるハリウッド女優をイメージしてみる・・・狭い場所だけに ちょっと個性的にして気分を上げるのも楽しいですね。

ダイニングなど、好きなレストランをイメージするのもいいかもしれません。

体形を考える

組み合わせを考える場合、自分に似合うかどうかが問題になります。体型はこの場合間取りでしょうか。体型がかっこいい(スタイルが良い)と何を着ても素敵なように、間取りがいいとインテリアの力を借りなくとも素敵な空間になります。カーテンや照明器具などを拒む建築家もいるほどです。

でも、多少スタイルが悪くても センスのある人 いますよね。自分の体型や個性を知って上手く組み合わせています。例えば、華やかな色で若々しさ保ったり、ストールでアクセントを加えたり、ちょっとした小物で、センス良く見えます。

特にリフォームの場合は、柱や梁・壁など どうしても動かせない要素が出てきます。そんな時は、飾り棚やアクセントウォールなどインテリアの要素を取り入れてバランスを整えます。

コーディネートを考える

ファッションの組み合わせでには、ルールがあります。ドレスには華奢なヒール。スーツには革靴やパンプスなど、シーンに合わせた組み合わせです。

この関係が インテリアでは どれに当たると思いますか?

実は、ここが インテリアをセンス良く見せる一番重要な部分です。なんだか、バラバラした印象だなと感じたら、きっとこの組み合わせがばらばらです。

それは、床材と建具の組合せ です。

クラシックスタイルや和室など 建具と床のルールがはっきりしています。
しかし、近年一般的な住宅では、凝ったスタイルは かえって敬遠されます。

では、普通の住宅で、素敵だな?と思わせるには、

質感をそろえる これがとーっても重要になります。
声を大きくして 言いたい、質感をそろえましょう!

ショールームでは、木質の床・建具・家具は、全てオイル仕上げにしています。地味な部分ですが、ベースを揃えることで統一感が出ます。インテリア小物が ごちゃごちゃしても、スッキリした印象になります。

洋服でいうとシンプルな服装の方が 帽子やアクセサリーなど合わせやすい感じでしょうか。

マンションの 生活感溢れる部屋も ベースを揃えているので、スッキリとまでは行きませんが、バラバラな印象はまぬがれています。家具を、壁一面同じシリーズのもので揃えたのが コツです。本当は、オイル仕上げのさらっとした質感が好きだったのですが、マンションでは、無垢床材を選ぶことができず、実現できませんでした。ショールームでは、無垢床材を取り入れ、夢を叶えることが出来ました。

もちろん、きちんとインテリアに予算をかけたホテルなどは、造作家具で、完璧なまでに揃えてます。アマン東京のロビー一角のライブラリーは、日本を意識したのか、白木の造作家具と建具で統一された素敵なインテリアでした。

アマン東京の図書ルーム

まとめ コーディネートのコツ

ファッションなら、シャツを選んだらそれに合わせて、パンツや靴・バックをコーディネートします。

同じ感覚で、大きな面積の床材と建具や壁の質感を統一しましょう。

コーディネートのコツは、質感です!

質感には、オイル仕上げ・ウレタン仕上げ・プリント化粧シート・鏡面仕上げなどいろいろあります。好みや手入れの仕方、収納家具を作成するときの扱いやすさ 予算など、いろいろな方面から、お客様にあったご選択をお手伝いいたします。(質感の選び方は、インテリアの秘訣2 床編で ご案内します!)

^