シックハウスになる前に

シックハウス症候群をご存知でしょうか。

シックハウス症候群とは、新築の住居で起こる 頭痛・喉の痛みなどの症状が現れる健康不良の呼び名です。建材に含まれる揮発性の化学物質がシックハウスの原因とされ、新築で使われる建材に関心が高まりました。

以前勤めていたホルツェン神戸は、シックハウスが問題になった当時、エコ建材しか扱わない会社として注目され、雑誌などの特集に掲載されました。いろいろなイベントや展示会にご招待頂き、その分野で活躍する大学教授や建築家とお話しする機会もありました。また、シックハウス症候群の方からのご相談にのるお仕事もさせていただきました。

シックハウス症候群の方は ちょっとした匂いにも反応します。症状が出て(頭痛・吐き気など)電車に乗ることもできません。人に話しかけられても、逃ださずにいられないのです。お化粧の匂いや整髪料といったありきたりの匂いにも我慢できずに・・・話しかけた人がびっくりしますよね。私も仕事でお会いする時は、化粧を控え、整髪料も天然のオイルなど、気を配りました。日常生活が普通に送れないことで、職を失う方もいらっしゃいました。

シックハウスを問題提起し、「ナチュラルハウスをつくろう」著者の足立和郎先生が、ホルツェン神戸のアドバイザーでもありました。ご本人もシックハウス症候群に悩まされており、エコ建材で、シックハウス症候群を克服できると 全て自然素材を使った家を新築しましたが、より症状が悪くなってしまいました。高野槙でできた風呂桶、杉の無垢材、土壁、自然由来であっても、匂い(揮発性物質)に反応するようです。

では、自然素材は、シックハウス問題に 役に立たないのでしょうか。

実際に シックハウス症候群の方に 原因を聞くと

職場で火事があり、大量の煙を吸った後から 症状がでた方
着物の染色の仕事をしていた過去があり、化学染料に触れる機会が多かった方
もちろん、新築をきっかけに症状がでた方もいらっしゃいました。

どうも、人体には、許容量というものがあるようです。
個人個人、発症の可能性はあるが、どこまで溜め込んでいるか 生活環境だけでなく体質も深く関わっています。

許容量のイメージ

ひとりだけ、シックハウス症候群を好転させた看護師の方にお会いしました。北里大学病院のアドバイスで、とにかく汗をかく努力をされたとのことです。サウナスーツを着て、雑巾がけなど家中を動き回って 汗を出したそうです。
汗をかくことは、解毒作用として重要だと改めて知りました。

私も、化学物質の匂いに敏感で、花粉症もありアレルギー体質といえます。改装したての店舗など、接着剤や塗料に揮発性の化学物質が使われています。匂いがきつく感じる時は、長居を避け、開店から時間をおいて行くようにしています。体調が悪化する恐れがあると知っていれば、対処の仕方があります。

人体からの警告を見逃さない ことが一番大切です。

出来るだけ 気をつけたいこと

  1. 揮発性の化学物質を避ける
  2. 汗をかくなど、人体の解毒作用を活発に行う
  3. 食べ物・飲み物は、添加物の少ないものを選ぶ
  4. シャンプーや歯磨き粉などはシンプルな原料で充分、宣伝に惑わされない
  5. 自分の体調に敏感になる

本来なら、木の香りは、リラックス効果があります。自然の香りと人工的な香りの差を肌で感じます。

自分の身体に素直に反応して、純度の高い暮らしをしたいものです。

 

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